「紙とペンの食育」にできないことを作り上げたいと考えています。

目線で操作できる食育ツール

 

Tobii EyeXを使って視線を解析し、何を見ているか判定します。そこから各料理の画像を見ていた秒数を割り出して、カロリー計算をします。
「自分の見た料理は、どれくらいのカロリーがあるのだろう。」それを知ってほしいという目的はありますが、それよりも
「食に関係することで面白い体験をしてもらいたい」という目的がその根底にあります。

紙とペンの食育

栄養士はいまだ紙とペンで食育をしようとしています。
「いや、パワーポイントを使っている。」「綺麗なポスターを使っている。」という的外れなヤジが飛んできそうな気もしますが、それが紙とペンで作った資料と何が違うのか。
対象者に与えた体験は、どうだったのか。
そんなことをよく考えていました。

それって、最近よく言われるUIとUXの関係に似ている気がします。
「食事バランスガイド」いわゆる1日の食事がコマになっている絵を見たことがある人は多いのではないでしょうか。
あれ見てなんて思いますか。
私は「へー」って思います。
それだけです。

栄養的な観点からみれば、1日にとる食事をサービングという単位に分け、何をどれだけ食べたらいいかわかるようになっている画期的なツールなのです。使ってもらえれば。つまり、UIとしては、ほどほど悪くない。

しかし、UXとしては非常に悪い。なぜなら面白くないからです。

「面白くない」ことは致命的だと思います。
料理だって食べなければ栄養にならないのと同じように、知識だって興味を持ってもらえなければ意識に留めてもらえない。仮に見てくれたとしても、すぐに忘れられてしまう。

今回私がやったことも、そこまで「面白い」かと言われれば、どうだったでしょうか。純粋な食育の面白さとは違うかもしれません。
でも、少なくとも紙とペンの食育とは違った体験を生み出せたことは間違いないと思います。

デザインフェスタ42で展示を行いました。
自分が何を見ていたかバレる。体験してくださった方からは面白いとの言葉をたびたび頂戴しました。
「焼き芋ってこんなにカロリー高いの!?知らなかった!!」「私カロリー高いもの好きなんだなぁ…。」などなど、生の評価を聞けてとても励みになりました。
が同時に、自分の中で、どこまでこの体験が「食育」につながっているかという思いは強くなりました。

もちろん、これで完成ではありません。楽しさ、興味をどう食育とつなげるか。そもそも、UI・UXのとらえ方、理解の仕方も、もっと深層で考えるべきことが多くあるのだと思います。
今の私の考えの足りないところ、時にこだわってはいけないことを考えながら、試行錯誤を続けたいと思います。